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(4) |
キッチン |
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■ 調理(ホットキッチン) |
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ケトル、ブレージングパン、コンビオーブンを加熱の中心にしたレイアウト。エネルギーは大型の施設であるから、ガスと蒸気とが主役。ブレージンパンは回転軸がパンの手前に納まる前軸式。これは調理の取り出し高さが「床」から60cm以上確保される優れモノ。HACCPのベースになる「GMP(Good
Manufacturing Practices/一般的衛生管理事項)」に忠実な設備機器である。 |
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機器はいずれも新しいモノではないが、いずれもメンテナンスが行き届いて古さを感じさせなかった。ベンチレーターはゲーロード式が納まり、照明はゴミ溜まりがない天井内埋め込み式である。古い厨房ではあるが、床と柱の立ち上げ部はアールをとりゴミ溜めをなくしている。 |
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■ ハラル(HALAL)キッチンと宗教食 |
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マレーシアに便を多く飛ばすカンタス航空は、マレーシア人に多いイスラム教徒用のハラル(HALAL)キッチンに多くのスペースをさいていた。ハラルの直訳はコーランの用語で「許可された」という意味になる。対語はHARAM「禁じられた」となる。使われる容器も専用となり、ここではブルーの専用容器を使い色分けしていた。
許可された食材はミルク(牛、山羊、ラクダ、羊)、魚、新鮮野菜・果物、乾した果物、ピーナッツ/ウォールナッツなどのナッツ類、小麦/ライ麦/米などの穀類。牛、山羊、ラクダ、羊もHALALであるが、イスラムの作法によって処理・お祈りされていなければHALALではない。
ハラルの食材は一般的には上記の通りであるが、加工食品になるとなかなか難しい問題もある。ハラルであっても食品に含まれる微量の添加物がHARAMの場合は、HARAMとなる。2001年には、インドネシアで「味の素」に微量の豚の酵素がふくまれ問題になった。宗教食はこの他にもあり、ヒンズー教徒食、ユダヤ教徒等があった。(出典:ハレルの項=azhar
HPより) |
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上記の写真2点は、ハラルで使用されていた機器。米国製ホバートのコンビオーブンとバルカンのコンベクションオーブンが並ぶ。コンビオーブンはスチーム専用で使い、オーブン加熱はコンベクションオーブンが専門に受け持つ。これが米国流である。
アジアの機内食工場はヨーロッパの機器が多く使われる。ましてや、オーストラリアは英国の植民地であったから、キッチンはヨーロッパ式かと思っていたが、ここは米国製の機器が並ぶ。
写真(中華レンジ水冷式)は、ハラルキッチンで使われていた中華レンジ。トップ部に水道ノズルを持ち、水で甲板部を冷やしていた。 |
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■ 特別食(Special In-flight Meals) |
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今回出発にあたり、勉強と実益を兼ねて特別食をお願いしてみた。JALのホームページを立ち上げれば30種類の特別食が載っている。宗教食をはじめベジタリアン、低コレステロール、低塩分、無グルテン等と豊富だ。個人のチケットであれば、そのままホームページから予約が可能だ。団体でのツアーは旅行会社からの予約となる。私が予約したのは「低カロリー高蛋白」のメニューである。カロリーを気にする「オジサン」にはピッタリの食事である。
再加熱カートでの配食が始まると、早速、客室乗務員から「柴田さんですネ」と笑顔が美しい。背もたれにシールが張りつけられた。見れば「LCML(ローカロリーミール)」とある。続いてLCとかかれたトレーがいの一番に運ばれてきた。朝ご飯も同様のサービスであった。 |
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食事の中身はというと、メインの料理はタコとイカをトマトピューレであえたものに、キノコとジャガイモのボイル。副菜は白身魚とアスパラ、山羊のヨーグルト。パンもミルクとバターを排して粉と塩とイーストだけで焼き上げた低カロリーのものであった。いずれも味はグッドであった。一般食は牛肉かけご飯と日本そば。パンはデニッシュ風。そして、クラッカーと蓬の大福が付いた。両者のカロリーを比較すれば、素人の私にも明らかに違いが解るメニューである。 |
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