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洗浄とサーモシール |
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大型のホバート製フライト式洗浄機が3台並んでいた。No.1は4タンク式、No.2とNo.3は3タンク式であった。No.1の4タンク式はトレー、キャセロール、カトラリー(シルバー)用。No.2はグラス専用。No.3は陶器(ビジネス・ファーストクラス)を専用にするが、No.1とNo.2が忙しい時のバックアップも兼ねる。
機器はいずれも新しいモノではないが、いずれもメンテナンスが行き届いて古さを感じさせなかった。ベンチレーターはゲーロード式が納まり、照明はゴミ溜まりがない天井内埋め込み式である。古い厨房ではあるが、床と柱の立ち上げ部はアールをとりゴミ溜めをなくしている。 |
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洗浄タンク・リンスの温度は毎日記録されていた。HACCPの「CCP(重要管理点)」にあたり、記録はすべてファイルされていた。
ホバートの新しいタイプには、PCとリンクし自動で記録管理される「モニターレコーダー式」もある。写真(洗浄温度の記録と管理)は洗浄温度の記録であるが、リンスの温度は82℃以上が約束ごとである。ここでは念を入れて、リンスされた食器の温度を71℃以上と決めていた。
具体的には、抜き取りで、サーモシールを洗浄直後の皿に貼り付け計測する。この時にサーモシールの71℃の赤い文字が消えれば、この皿の温度は71℃以上である。このように、リンスの温度と、洗浄後の食器の温度と二重にCCPを行っている。確認された結果は記録紙に張られ保管される。
このように、CCP(重要管理点)を決めて、地味ではあるが毎日規則正しく記録し管理することがHACCP運営の基本である。また使用される温水は、省エネと安定性を考慮して蒸気で作られていた。洗浄タンクの加熱も安定性と信頼性で蒸気を使用している。
最近カタログに「HACCP仕様の機器です」とあいまいな言葉が踊る。正しくは「GMP」仕様との表記が正しいのではないか。これらはHACCPを実践していくためのベースとなる「設備」であり「機器」であるからだ。これらは前述したようにGMPと呼ばれる。清掃し易い設備、汚れにくい機器、衛生的な機器等が土台になり、その上に「HACCP」が立ち上がるのだ。 |
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※次回は、ゴールドコーストのコンラッド・ジュピターホテルの厨房視察報告を予定しています。 |
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