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活動内容の報告 2007年度
 
概要と目次
総会
2007年度総会
外食研究部会
第1回外食研究部会
給食研究部会
第1回給食研究部会
第2回給食研究部会
第3回給食研究部会
セミナー・見学会
2007年度施設見学会
欧州厨房調査団報告
(第2回)
海外研修会報告
米国厨房視察団報告
(第1回)
外食研究部会施設見学会(ザ・ペニンシュラホテル東京)
給食研究部会施設見学会(涼風園)
最適厨房研究会 内容報告会
最適厨房研究会「欧州厨房調査団」報告【第2回】
→第1回の報告はこちら
■調査先
エレクトロラクス・フードサービス工場、キッチンシアター、ル ロワイヤル ホテル厨房施設

■ 報告者
ミナミアンドアソシエイツ 代表 南岳男
東京ガス株式会社 都市エネルギー事業部 法人営業第二部副部長 中山潔


キッチンシアターでレクチャーを受ける調査団メンバー今回は第1回目の報告に引き続き、エレクトロラクス・フードサービス社の他、ル ロワイヤル ホテル厨房施設の模様を報告するものである。
我々調査団一行は、午前10時にエレクトロラクス・フードサービス社に到着後、Mr.Kesraouiの出迎えを受け、大型キッチンシアターに案内される。Mr.Rocco Di Bari 副社長より歓迎の挨拶の後、エレクトロラクス・フードサービスの概略についての説明を受けた。
 

(1) エレクトロラクス・フードサービスの現在の活動概況
エレクトロラクス・フードサービスの業務用厨房を持つ世界中の次の施設から、毎日1億食が提供されている。
・350,000のレストラン
・110,000の事業所給食
・170,000のホテル内レストラン
・85,000の学校と研究施設
・65,000の病院
・20,000のバール

研究開発費は、年商の7%
主な国際パテントは200以上を保有しており、年商(約1,900億円)の7%が研究開発費として毎年計上されている。

エレクトロラクスの製品開発・製造ポリシー
・環境(自然環境と作業環境)に配慮したものであること
・エコロジーに配慮したものであること
・作業員の働きやすい機器であること―人間工学に基づく物づくり
・安全な製品であること
・以上の製品は最終ユーザーに利益を還元する製品でなければならない

 

(2)優れたブランドポリシー
グループにはいくつかのブランドがあり、それぞれの地位を確立している。

Molteni
モルティニーは1923年にフランスで設立され、常に超最高級品として独自の地位を確立してきたブランドである。世界中の王室や超一流ホテル・レストランに収められている製品で、世界中のシェフの憧れの的であり、このブランドを使用することが一流の証とされている。ほとんどが手作りであるために極めて高価だが、値引きの対象にはならない存在となっている。

エレクトロラクスの傘下に入った背景は、欧州のバブルの崩壊の影響により販売不振に陥ったことが原因であるが、エレクトロラクス社の長期世界戦略の中で再び市場を確立し、産油国や東南アジア(特に中国)に設立される一流ホテルにこぞって導入されているとのこと。この推進役は世界の有名コンサルタントによるところが多いそうである。

左)Molteniのアイランド 今回の視察先でも使用されていた。 右)Thermaのライン ステンレス板が厚く重厚感がある
 

Therma line
ThermaはMolteniが傘下に入る前はElectroluxの最高級ブランドとしての地位を確保していた。Thermaはスイスに設立された会社で、やはり納入先は超一流とされていた。1975年に販売路が制限されていたことから経営不振に陥り、Electrolux社の傘下に入った。精度の高さと機能美にとんだ製品は欧州のレストランスクールに広く採用されていることから、シェフの垂涎の的となっている。高価であるが故に誰でもが採用できるわけではない点がシェフの力の誇示となっていることも事実のようである。Molteniを採用できない代わりにThermaというわけではなく、Molteniは別次元の存在であることを強調していた。

Electrolux Food service
このブランドはスウェーデンの親会社のオリジナルであり、グループのシンボルブランドである。北欧を中心に歴史を刻んでおり、ThermaLineのデザインを反映させて、北欧では圧倒的な支持を受けているブランドである。機能面には定評があり、特に省エネの配慮に優れていることが評価されているとのことであった。

Zanussi

Zanussiのアイランド 特にデザイン面で注目すべきところが多い。1984年にエレクトロラクス社の傘下に入る前のZanussiの親会社のブランドを継承している。家電中心であった親会社の中で、1956年に本格的に業務用分野に進出し、欧州を代表するブランドとなった。家電の親会社の不振により全面的にエレクトロラクスの傘下に入ったが、それ以前の実績ではZanussiが市場の占有率で勝っていたそうである。欧州の中央部から南部に根強い支持があるとのことであった。昔より優れたデザインの業務用機器として定評があり、その伝統は現在に受け継がれていることを強調していた。
 
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