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■報告者:最適厨房研究会事務局
■見学日:2007年6月28日
■出席者:外食研究部会メンバー30名、事務局3名 |
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初の試み!「エネルギーがテーマの見学会」
これまで、先進的な厨房施設の見学を目的に実施してきたが、今回は趣向を変えて、厨房で使用するエネルギーについての見学会を行なった。普段厨房で使用している電気やガスはどこから来るのか、またエネルギー製造の現状を会員自らが確認する機会として、厨房以外がテーマとなる初の見学会となった。
東京ガスの袖ヶ浦工場および同工場敷地内にある東京ガスベイパワーの発電施設を訪問し、施設の概要について全体説明を受けた後、天然ガス自動車(マイクロバス)に乗って工場内施設を見学した。 |
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■袖ヶ浦工場の概要
袖ヶ浦工場は、1973(昭和48)年に操業を開始した日本初のLNG専用工場である。現在は、ブルネイ、マレーシア、オーストラリア、インドネシア、アラスカおよびカタールからLNGを受け入れている世界最大級の受入基地である。都市ガスの製造能力は2631万立方メートル/日であり、東京ガス全体の約半分の都市ガスを製造している規模である。製造したガスはガス管を通じて、各需要家へ送られると同時に、東京電力の3発電所へ発電用燃料ガス向けとしても送られている。 |
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ガスエネルギーについて
■LNGと都市ガスの違い
- LNGとは/LNGとは液化天然ガス(Liquefied Natural Gas)の略語である。メタン(CH4)を主成分とする天然ガスを−162℃に冷却すると液体となり、体積は600分の1になるため、タンカーなどによる大量輸送が可能になる。
- 都市ガスとは/液化して海外より運搬したLNGに海水をかけ、体積を600倍に戻した上で、LPG(液化石油ガス)等で熱量調整を行ない都市ガスが製造される。
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■ガスは無臭である
ガスといえばあの独特の臭いをイメージされる人も多いと思うが、ガスにはもともと臭いがない。基地外で万が一、ガスが漏れた場合、ガスを見分けるために後から附臭剤を混ぜている。そのため公道を通って送出される東京電力姉ヶ崎火力発電所向けや同五井火力発電所向けには附臭剤をつけ送出しているが、公道を通らない隣地である東京電力袖ヶ浦火力発電所へは無臭で送られている。
■天然ガスは「クリーンエネルギー」
天然ガスは石油、石炭に含まれる硫黄酸化物(SOx)を含まない。また、窒素酸化物(NOx)や二酸化炭素(CO2)も少ないため、燃焼時に大気汚染の原因となる物質の発生が少ないクリーンエネルギーである。 |
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東京電力(株)との共同基地
受入設備・LNGタンクの共同使用など、隣接する東京電力袖ヶ浦火力発電所との一体的な設計がなされており、合理的で経済的な施設となっている。広さは東京ガスの袖ヶ浦工場が81万平方メートルに対し、東京電力袖ヶ浦火力発電所が112万平方メートルであり、安全を考えて東京ガスのLNG貯蔵タンクは、東と西の2系統に分けて管理・運営されている。 |
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LNGの主たる貯蔵施設は、地下タンクである。袖ヶ浦工場に設置されている14万立方メートルの地下タンクは、直径64m、地表部分からタンク底までの高さが43.65m、地上部分のもっとも高い部分で地表から3mの高さがある。タンクの下には、さらに7.4mのコンクリート底版が設けられており、タンク底部と側部の凍結状況を制御するため、温水循環によるヒーティング設備が設けられている。袖ヶ浦工場には、この14万立方メートルの地下タンク2基をはじめとして、計17基の地下タンクと3基の地上タンクがある。 |
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東京ガス袖ヶ浦工場の風力発電
袖ヶ浦工場内では、再生可能エネルギーの主役である風力発電も行っている。
(出力1990kw、年間発電量約400万kwh=一般家庭約1000件分) |
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株式会社東京ガスベイパワー発電所概要
- 2001年6月に東京ガスの100%子会社として設立
- 2003年10月営業運転開始
- 平日昼間時間帯8:00〜22:00稼動(約280日/年稼動…15年平均)
- 発電規模約10万kw
- 燃料天然ガス100%
- 人員15名(全員が東京ガス袖ヶ浦工場のメンバー)
- 東京ガス袖ヶ浦工場内に発電所を設置することで、設備コストや運転コストの低減を図るとともに、最新型の発電方式を採用し、競争力のある安価な電力の供給を行っている。
(特徴)
- 東京ガスとの連携によるインフラ・操業の効率化
- 最高水準の発電端効率45%(高位発熱量)を実現
- 大気・水質を中心とした環境への影響に配慮
- 袖ヶ浦工場に運転を委託(主任技術者は東京ガスベイパワー社員)
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