最適厨房研究会
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活動内容の報告 2007年度
 
概要と目次
総会
2007年度総会
外食研究部会
第1回外食研究部会
給食研究部会
第1回給食研究部会
第2回給食研究部会
第3回給食研究部会
セミナー・見学会
2007年度施設見学会
欧州厨房調査団報告
(第2回)
海外研修会報告
米国厨房視察団報告
(第1回)
外食研究部会施設見学会(ザ・ペニンシュラホテル東京)
給食研究部会施設見学会(涼風園)
最適厨房研究会 内容報告会
最適厨房研究会 給食研究部会「施設見学会」報告 優れた厨房設計と厨房設備を備えた「涼風園」を見学しました。
 

■見学日:2008年2月6日〜7日
■報告者:最適厨房研究会 給食研究部会事務局

宮城県石巻市にある社会福祉法人和仁福祉会は、「和と仁の精神」の基本理念の下、特別養護老人ホーム「和香園」、「仁風園」、「第二和香園」、「涼風園」及びその他入所施設、通所施設を設置経営されています。

 
機能面・衛生面ともに優れた厨房環境を実現

左側=「涼風園」「万石浦デイサービスセンター」、 右側=「ケアハウスしおさい」

今回視察させて頂いた「涼風園」は、目前に万石浦湾があり、自然に恵まれた環境の中にあります。ケアハウス「しおさい」「万石浦デイサービスセンター」と繋がっており、厨房では両施設の食事も賄っています。

食事は、新調理法で調理したメニューを中心に、メイン厨房で調理後、各ユニットに運び、ユニットキッチンでユニット職員が盛り付けています。この方法だと入居者の細かなニーズに対応できるうえ、目の前で盛り付けることが美味しさの演出にもなっています。もちろん演出だけでなく新調理法で調理されたメニューは味の面でも高評価を得ています。

厨房は十分な広さで当然ドライ。厨房全体を見渡せるように、かつ機能的に機器が配置されており、調理スタッフは心地よく作業ができるように考えられています。また、食材動線、人員動線、その他の動線が交差しない様にも考慮され、作業面、衛生面ともに良好です。

メニューのほとんど(80%以上)をスチームコンベクションオーブン(以下スチコン)で調理しています。スチコンは、輻射熱がほとんどなく、他の調理機器に比べ蒸気の放出も格段に少ないので厨房環境が向上します。涼風園の厨房も常に湿度80%以下、温度25℃以下(大量調理施設衛生管理マニュアル)を保っています。またスチコンはデジタルで調理をコントロールするのでレシピ化が容易です。レシピ化することで調理で失敗することがありません。これは美味しさにも貢献しています。

 
クックチルによる新調理法で、最適な厨房運用

さらに提供メニューの60%〜70%程度をクックチルを中心とした新調理法で提供しています。スチコン中心で調理したメニューをブラストチラーで急速冷却、専用の製品冷蔵庫に保存します。これにより菌の増殖を最小限に防ぐことができ、安全性が向上、最長5日間の保存が可能となります。ブラストチラーで急速冷却することで、温気等による食材からの水分蒸発を抑えることができるので、これもまた美味しさに貢献しています。

「しおさい」からの万石浦湾を望む風景

予め翌日や翌々日のメニューを新調理で調理して保存しておき、提供時に冷菜はそのまま、温菜はスチコンで再加熱するだけで提供しているので、涼風園では提供前の慌しさがありません。朝食は予めクックチルで調理して個食で真空パックしておき、前日の夕食提供時にチルド状態で一緒にユニットに配送し冷蔵庫に保管しています。翌朝、各ユニットに設置している湯煎器で再加熱しています。こうすることで厨房では朝食提供直前に行う作業がなくなるので、入所施設には付き物の早朝出勤がありません。朝食は個食パックしているので、入居者はいつでも好きな時間に温かく食べることができ、入居者にとっても素晴らしいシステムになっています。

最適厨房とは、優れた厨房機器と厨房設計、厨房運用が揃うことで、厨房で働く方にとっても、食事をいただく方にとっても最適を提供する厨房のことだと実感しました。

 
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