最適厨房研究会
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活動内容の報告 2007年度
 
概要と目次
総会
2007年度総会
外食研究部会
第1回外食研究部会
給食研究部会
第1回給食研究部会
第2回給食研究部会
第3回給食研究部会
セミナー・見学会
2007年度施設見学会
欧州厨房調査団報告
(第2回)
海外研修会報告
米国厨房視察団報告
(第1回)
外食研究部会施設見学会(ザ・ペニンシュラホテル東京)
給食研究部会施設見学会(涼風園)
最適厨房研究会 内容報告会
最適厨房研究会「米国厨房視察団」報告【第1回】(NAFEM会場視察)
 
(8)Actisumer/活動的な消費者への対応

活動的な消費者は、各国の政府に環境への規制の法制化を要求するようになってきた。そして、外食企業大手は活動的な消費者たちのグループのターゲットにされるようになった。エノディス社はそれらに対応して以下の対策を実施している。
  • エネルギーと環境。エノディス社のエナロジックは各国のエネルギーと環境規制に対応できるようにしている。
  • 健康問題。フライマスターは揚げ物に適した4つの対応を実施した。
  • 従業員が快適に働ける厨房環境の実現。エノディス社は厨房の環境が快適になるように給排気システム専門の企業のハルトン社と提携している。

 

環境や健康問題に関しては、次の3つの共同研究を行っている。
  1. Haltonと共同で改善 音、排気、
  2. ASTSと共同で規格の設定
  3. 揚げ油では食品メーカーと共同開発

 

現在行っているのは、全調理機器に共通のコンピュータの開発だ。マクドナルドは本社から各調理機器をオンラインでつなぎ、温度や調理時間をモニターし変更できるように考えている。外食企業によってはオンラインなどの投資負担を嫌い、より簡易的なUSBメモリーを使う方法を採用している。メリーシェフの場合はメールでソフトを送って、それをUSBメモリーにダウンロードし、メニューの温度や時間、モードを変更するようにしている。
 
(注)レストラン環境の変容
米国は健康的な食生活が大きな話題になってきており、ニューヨークはトランス脂肪酸を禁止する法令を施行、シカゴはレストランでのフォアグラ提供を禁止した。フロリダでは顧客がどのレストランにも犬を連れて行けるように法改正を行う等、いろいろな変化が急激に起きている。

NRA(米国レストラン協会)はレストラン業界を守る法律を通過させるべくロビー活動を行っている。最適時給、医療保険、移民労働者問題、労働時間(残業や有給休暇)レストランのメニューに栄養表示、禁煙対策等が、レストランに大きな影響を与えないように法律制定の際に関係省庁や各議員に働きかけている。

 
(9)CTOとしての私の仕事

将来の技術を開発を開発することで、現在5つの大きな開発に取り組んでいる。
  1. 高速調理技術。
  2. 飲料ディスペンサーの開発。フルーツドリンク、アイスコーヒーなど新しい飲料が増えていることに対応する。
  3. ネクストジェネレーションアイスの開発。フォレットFollettが開発したように氷の連続製造と移動を自動化する研究を行っている。
  4. 調理後食品の保温時間の延長。チキンは現在の20分保温から60分保温への改良を行っている。そのために、保温機器の温度と湿度と商品の温度湿度を適正に保てるように研究を行っている。
  5. スマートオーブン。現在のオーブンは温度と時間のコントロールだけだが、それを自動化したい。具体的にはカメラで料理の品質を監視し、最適の仕上がりを自動でできるような研究を行っている。
 
(10)今回のショーで注目する他社2つの技術

  1. アマナが開発したターボシェフを凌ぐハイスピードオーブン。
  2. 製氷機follet。

その他、現在リンナイがマリーシェフの401を供給している。

 
●Enodis社の歴史と中央研究所の機能 2001年5月訪問時の資料
Enodisは英国の持ち株会社であり、傘下にはフライマスター(フライヤー)、ガーランド(レンジ、オーブン、クラムシェルグリドル)、ジャクソンディッシュウオッシャー、リンカーン(エアーインピジメントオーブン)、ベルショー(ドーナツ機器)、コンボサーモ(スチームコンベクションオーブン、クリーブランド(大型クックチル)、アラジン(病院用調理保温システム)、アイスオマティック(製氷器)、スコッツマン(製氷器)、デルフィールド(冷蔵機器)、その他、合計で35社がある。

グループの年商は1.5ビリオンドル(120円換算で、1800億円)で、調理機器メーカーグループとして最大規模である。ファーストフードだけではなく、ファミリーレストラン、カジュアルレストラン、病院給食等、幅広い顧客を持っているのが特徴だ。

Enodis社の顧客はマクドナルド社、バーガーキング社、トライコン社(KFC、ピザハット、タコベルの親会社で、現在はYUMと名称を変更)等の外食大手チェーンが主要顧客である。
2001年5月にシカゴで開催されたNRAレストランショーの後に、Enodis社がフロリダ州タンパに所有している、Enodis Technology Centerを訪問し、米国外食レストランのメニュー開発と調理システムの動向のレクチャーを受けることができた。(http://www.enodis.com/tour/tour1.html

Technology Centerでは、自社の調理機器のみならず世界中の調理機器を集め、性能比較を行うなど、品質向上、高速調理、省人件費の自動化機器の研究を行っている。通常は非公開であり、日本人でここを訪問できた方は数名ほどしかいない厳重な秘密研究所だ。

ここでは単なる調理機器の開発のみならず、将来の動向まで予測し、開発する研究所であり、5〜10年先を想定して調理システムの開発を行っている。具体的にはマクドナルドの最先端技術であるメイドフォーユーなどの調理技術や、マクドナルドで使用しているクラムシェルグリル、トースター、保温庫等を開発している。(Enodis社HP:http://www.enodis.com/

 
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