●Enodis社の歴史と中央研究所の機能 2001年5月訪問時の資料
Enodisは英国の持ち株会社であり、傘下にはフライマスター(フライヤー)、ガーランド(レンジ、オーブン、クラムシェルグリドル)、ジャクソンディッシュウオッシャー、リンカーン(エアーインピジメントオーブン)、ベルショー(ドーナツ機器)、コンボサーモ(スチームコンベクションオーブン、クリーブランド(大型クックチル)、アラジン(病院用調理保温システム)、アイスオマティック(製氷器)、スコッツマン(製氷器)、デルフィールド(冷蔵機器)、その他、合計で35社がある。
グループの年商は1.5ビリオンドル(120円換算で、1800億円)で、調理機器メーカーグループとして最大規模である。ファーストフードだけではなく、ファミリーレストラン、カジュアルレストラン、病院給食等、幅広い顧客を持っているのが特徴だ。
Enodis社の顧客はマクドナルド社、バーガーキング社、トライコン社(KFC、ピザハット、タコベルの親会社で、現在はYUMと名称を変更)等の外食大手チェーンが主要顧客である。
2001年5月にシカゴで開催されたNRAレストランショーの後に、Enodis社がフロリダ州タンパに所有している、Enodis Technology Centerを訪問し、米国外食レストランのメニュー開発と調理システムの動向のレクチャーを受けることができた。(http://www.enodis.com/tour/tour1.html)
Technology Centerでは、自社の調理機器のみならず世界中の調理機器を集め、性能比較を行うなど、品質向上、高速調理、省人件費の自動化機器の研究を行っている。通常は非公開であり、日本人でここを訪問できた方は数名ほどしかいない厳重な秘密研究所だ。
ここでは単なる調理機器の開発のみならず、将来の動向まで予測し、開発する研究所であり、5〜10年先を想定して調理システムの開発を行っている。具体的にはマクドナルドの最先端技術であるメイドフォーユーなどの調理技術や、マクドナルドで使用しているクラムシェルグリル、トースター、保温庫等を開発している。(Enodis社HP:http://www.enodis.com/) |