工場内では板金部門と海外メーカーのOEM機器製造部門に分かれ、その他、設計部門が管理棟にあり、ショップドローイングを作図している。日本と違い仕様書とは別に全ての板金製品は工場において個々の板金製品の製作図面が作成され、その図面を基に製作される。このショップドローイングは厨房コンサルタントや施主に対しても発行され、施工監理時のバイブルとなるものである。
板金はALLIED METALS社が国際的ホテルや機内食工場等の大型施設を施工している性格上、NSF仕様に準拠して製作されており、日本では俗に言う「ホテル仕様」304S/S、2mm甲板である。NRTシステム(株)の成田社長がキャビネットをチェックし、扉の裏が太鼓になっているのをご覧になって「良い仕事をしている」というご指摘に象徴されるように、その他の製品も日本製に比べ格段に良い仕様で製作されていた。
視察者の多くの方も製品を見て驚きを隠せない様子であった。将来の日本の厨房施工業者の未来はどうなってしまうのかと心配になったのが、私の一人の杞憂であればと思わずにはいられなかった。 |