輸出中心の会社は、タイ政府から多大の援助や優遇措置を受けられるが、反面政府のヒモ付きになるため、自由な経済活動ができにくい。それを嫌って、最初からリンナイ タイランド社はタイ内需向けを中心に作られた会社輸出製品の製作や日本向けに作られた会社ではなかったのである。
設立当初は得意分野の湯沸かし器やその他の熱機器を製作していたようだが、タイは常夏の国で温かいシャワーも必要がなく、加えて競合製品がどこの国製かははっきりしないけれど、3分の1から5分の1の値段で売られている。さらに町場の食堂(レストランではなくあえて「食堂」と表現)では七輪や朝顔五徳で十分ことが足りる。「リンナイ タイランド社が生きる市場が見つけられずに大変な苦労をしました。」と水本社長が説明されたのには、なるほどと頷かされた。 |