照度と音量の管理による、快適な作業環境
地下の厨房で苦労したのは、太陽光を地下まで届かせることでした。現在の新築の調理施設では目の高さに太陽光が当たるようにしなければなりませんが、旧型の建物なので苦労しました。そこで、元々ある窓から差し込む太陽光が地下の厨房に届くように、写真のように吹き抜けを用意したのです。厨房と同じ地下にある食堂も太陽光が差し込むように工夫をこらしています。
厨房エリアの照度は倉庫200ルックス、メインの調理室300ルックス、客席500ルックスとしています。厨房で発生する音量は62デシベルに抑えて、作業環境をよくする努力をしています。日本ではこの基準が明確でないので大変参考になります。特に照度だけでなく、音量もきちんと管理するのは素晴らしいことです。
調理機器はセンターの片側にオートリフト式フライヤーが2台、ブレージング・パンが3台、反対側にスチームケトル2台、フレンチのイーブンヒートトップレンジとガスコンロのコンビ1台、ロールインタイプのスチームコンベクションオーブン2台(コンボサーモ、ともう1社2種類)を使用しています。シンプルなレイアウトです。地下室はフードにガラスを張り、外光が届くような工夫をこらしています。また、休憩室やトイレなどの表示の絵がお洒落で、さすがフランスだと感心しました。 |