活動内容の報告<2012年度> 最適厨房研究会「欧州厨房調査団」報告
■報告者:東京ガス 商品開発部 業務用厨房開発グループ 奥田
最適厨房研究会では2012年10月21日〜25日、欧州に厨房調査団を派遣しました。視察・見学したもののなかから、東京ガス商品開発部・奥田氏が以下を報告します。
HOTEL VIERJAHRESZEITEN KEMPINSKI(一泊目宿泊ホテル)
路面電車のワイヤーが建物に固定されている
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見学コース/ノイエ・ピナコテーク→ニンフェンブルグ城→オリンピア公園→BMW博物館
ミュンヘンでは、市外中心地に車を入れない政策をとっており、車道を狭くして路面電車を優先させている。しかし車の台数は多く混雑していた。路面電車の電線が建物に固定されていて電柱が無くすっきりとした景観になっていた。「建築物」と「街」と「路面電車」が一体となって計画されており、美しい町並みを形成していた。
ノイエ・ピナコテークでは、モネ、セザンヌ、ルノワール、ゴーギャンなど印象派の作品が充実していた。それぞれの絵画の鑑賞のコツや、「疲れた女」や「ひわまり」など有名絵画の描かれた背景、ゴーギャンとゴッホの関係や、それぞれの画家の壮絶な人生、印象派と森鴎外の関係など画家たちの人間ドラマも多く学ぶことができた。また、建築物に溶け込むように置換換気空調の給排気口が設置されており、建築物のデザイン性と快適性(人と絵画)が両立しているすばらしい建築物だった。
【左】ノイエ・ピナコテークで絵画を鑑賞する一行。絵画の下部から給気を行い上部から排気をする置換換気空調になっている。
【中】モネの絵画。近くで見るのと遠くで見るので絵の雰囲気が変わる。
【右】天井のスリットが空調給気口となっている。
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ビアホール厨房の換気天井システム(ハルトン)
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オリンピア公園では、巨大なテントを吊るした様な建築物で構成されており、自然が多く、多くの市民が散歩などを楽しんでいた。寒い季節にも芝を維持するために、芝の下に温水パイプが20km敷かれているとのことだった。マリエン広場ではビアホールにて昼食を取った。一般的な飲食店だったが、厨房の天井を見ると白く塗装されたハルトン換気天井システムが導入されており、ヨーロッパにおいて一般の飲食店などにも換気天井システムが広く普及しいていることを目の当たりにした。
シリンダー型のBMW本社横にはBMWの博物館があり、ガラスの巨大な展示スペースにBMW6シリーズクーペやミニクーパーが芸術品のように展示されており、BMWのブランド力に圧倒された。
ニンフェンブルグ城では、念願の息子が生まれた王が褒美として作った「小ぢんまりとした城」とのことだったが、宮殿はバロック様式で増築を重ねて全長が700mあり、20ヘクタールの壮大な庭園から見る宮殿は幻想的だった。宮殿内には、17人の愛人の絵や騙し絵など変わった絵画が展示されており、ルートヴィヒ1世の性格や当時の優雅な生活を連想することができた。
【左】ニンフェングルグ城 【右】BMW本社と展示場
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→ ミュンヘン市内観光
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病院「LANDESKRANKENHAUS FELDKIRCH」視察
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エルクトロラクス(タルマ)工場視察
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ハルトン工場および実験施設
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セントラルキッチン「Caisse des ecoles Paris 20eme」見学