東日本大震災は私たちに、大災害発生下における「命を繋ぐ食」の重要性を再認識させ、その命題にどう応えるのか、という大きな課題を残しました。中でも、被災者支援の核となった病院・学校の現場では、非常時に限られた食材・厨房機器・熱源しか得られない中、いかにして大量かつ安全に食の提供を継続させるか、関係者の知恵と技量が試される深刻な事態が続きました。この経験を踏まえ、どのように改善し備えるべきなのか、深刻な課題を突きつけられたといえます。
一方、震災後の動きとして、各分野でのBCP(事業継続計画)の立案が進められており、病院・学校分野もその例に漏れず、行政・自治体・関連団体等を中心に検討が進められています。しかしその中で、命を繋ぐために不可欠であるはずの「食の提供」や「業務用厨房」についての検討は、残念ながら十分なされているとはいえない状況でした。
こうした事態に直面し、最適厨房研究会として、病院・学校における「食の提供BCP」の策定に取り組むこととし、今こそ発信すべき内容であると考え、病院・学校のそれぞれにワーキンググループを発足しました。提言内容をより良いものとするために、研究会会員以外からも、学識経験者、設計・建築、厨房のご使用者などの方もメンバーに加わっていただき、多大なるご協力をいただきました。
■活動期間
- 病院ワーキング第1回〜第5回(6月〜10月)
- 学校ワーキング第1回〜第5回(6月〜10月)
■成果のまとめ
- 病院ワーキングでは、「東日本大震災に学ぶ 病院における食の提供BCP 〜いま、考えておくべきこと〜 」と称して、成果をまとめた冊子を作成。
- 学校ワーキングでは、「学校給食の安心と安全のために 省エネ・節電 震災対応学校給食厨房づくり」と称して、成果をまとめた冊子を作成。
■ワーキング報告会の開催
- 上記の内容について、3/8東京ガス山之内ビルにてワーキング報告会を開催し、業界関係者70名が参加。
(以上)
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