この病院を運営する非営利財団の副社長のChris Willams氏と、食堂部門の責任者Joyce Dang部長にお話をうかがいました。この病院は1892年に創立した由緒のある病院で、元々は別の場所のパサディナにあった施設を1921年に現地に移設したものです。そして1938年に新しいビルを建て、さらに1990年に改装増築を始めました。現在の東館は元々3階建てであったものを1990年に増築し、2007年に西館を新築しました。現在のカフェテリアは2009年12月に出来上がったものです。
この病院はコミュニティ病院という地域の病院で、非営利で利益は全て患者に還元するようにしています。食堂部門は年間売上高3.5ミリオンドルで1日2,000人が利用します。1日20時間営業で、午前6時から午後8時と午後9時から深夜2時まで運営しています。食数は1日4,000食です。調理に従事するのは24名で、その他の従業員を合わせると合計120名が食堂で働いています。
この食堂は入院患者に対する食事と、訪問者や病院関係者用のカフェテリアを運営しています。カフェテリアの料理は、手造りのピザ、寿司、グリル料理、ローティサリーチキン、フライパンのソテー料理、サラダ、スープ、などです。
特筆するべきは入院患者に対する食事で、すべて病床に運びますが、1日3食すべて患者が好きなメニューを好きな時間に注文できるようにしているのです。食事の時間は朝の6時半から午後7時までです。ホテル並みのルームサービスだと言われているそうです。厨房は食数と料理のアイテムが多く、ちょっとしたホテルの厨房の規模です。衛生管理も考えて、ブラストチラーを導入しています。食材の納入には問屋のSysco社を使い、食材は週に3回ほど搬入をしています。生鮮品やパンなどは毎日搬入です。
米国の病院によってはマネージドケアー制度の影響で、食事の量や質が低下している例も見受けますが、この病院のように患者を中心に考えた、メニューだけでなく時間も選択できる仕組みは大変素晴らしいと感銘を受けました。
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